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画角から溢れだす高さの巨きな樹、または水平線

少し、間が空いてしまった。
先週、世田谷パブリックシアター/シアタートラムで
Co.山田うんの『季節のない街』を観た。

4月から、広島支部長に就任する副部長と合流。

ほんとは、午前中園生の森の活動の予定だったけど、
くたびれて起きられず…午後からのそのそと起きて、
ひさびさに東横線に乗り。渋谷を経由して、田園都市線。

東京は電車の乗り換えが楽しい。アトラクションとして楽しい。
ひさびさの三軒茶屋である。

P3060318x.jpg

過去2回山田うんさんのダンスを観ているけど、
いつもと同じ、息遣いが聞こえてくるくらいの広さのステージ。
客席はおよそ200かぶりつきまで座布団を敷いて席を作ってある。

ここで、順を追って流れを追うのは
(面倒でもあるし)そのとき流れているものを
ただ、要約しても面白くもなんともないので、
端的に言えば、あれである。観れば分かるし、観ないと分からない。

ってそれじゃ、あまりにも身も蓋もありゃせんので、
何をか言わむ。



P3060333x.jpg


ちなみに、写真は全然関係ない。
マシマロは関係ない。本文とは関係ない♪

なんだろう。観ていた感触としては、山に入った時に似ているのである。
ただし、斜面というよりは、平坦な林という感じ。


タイトルの通り、「街」を意識した構成だったかと思うけど、
実際のまちはもっと情報過多という気がするので、
省略した感じ。たくさんぶら下がった洗濯ものとか、
可動式のやぐらとか。


そう、街そのものという言葉だと(僕の場合仕事がら)、
都市全体をイメージしてしまう。

うんさんのイメージとすれば、
街区ひとつ、くらいの感じなのかもしれない。
吉本新喜劇の書き割りみたいな。お店三軒くらいの。


その街のなかで踊られる動きは、茅ヶ崎で観た群舞に近いCo.のダンスや、
KAATで観たソロのダンスとは(動作のボキャブラリーは共通しているにしろ)
また異なる印象を与えるものだった。

P3120383x.jpg


それなりに、整然と踊っているものの。
どっちかというと、大道具を器にして、街そのものを生成する動きが
ほとんどだったというように思う。

例えば、ちょうど去年の3月15日のことを思い出していたところだけど。
地震の直後で、余震が頻繁にあって、計画停電で
福島第一はぶっ飛んで放射性物質が降り注いでるという、
世も末な感じ。末法な感じの街を歩いてるとして、

それは、抜け殻というか。脱脂した粉乳というような味気ない感じ。
白アスパラみたいな感じ。出汁をとり終わった昆布のような感じ。

だとすると、その出汁にあたるのはやっぱり人の動きであって、
『季節のない街』のダンスはどれもその「出汁」になって
ようやく街が立ち上っていたという感じがする
(エキストラのひとののんびりした動きも含めて)

P3140432x.jpg

いみじくも副部長は、観ているといろいろ突っ込みたくなったらしく
「これはなぜなんだ」みたいに思って忙しかったらしい。
「これはどういう意味なんだ」と考えだすと。


僕はと言うと、体調がよろしくないのもあったけど、
認識の解像度を比較的落として観ている感じ。
最初は全力だったけど、情報量が多いので、絞った。
具体的には、動きが気になるダンサーに焦点を絞った。


体調と視野が密接に絡むのは経験上
嫌というほど思い知っている。
とにかく体調が悪いと植物が見つからない。
厳密に言うと見えているけど、「あいつ」として
目に飛び込んでこない。

体調がやたらいいと、視野に入るもの全てを認識し、
(名前を特定までしないまでも、
あ、あったと思い、記憶するというか流し見する)
というと、立派なようだけど植物するひとは大方そんなもので、
常にフクロウのようにきょろきょろしていて落ち着きがないのは
このためである。


あと、街中でぼんやりとして誰かとすれ違っても気づかないのも
このためである…

P3140436x.jpg


このダンスの観客であることは、そうしたぼんやりではない覚醒状態に
置かれるという感じがあって、すべては追い切れない動き、
(例えば、はじっこでエキストラが洗濯ものを畳んでいるような)
やぐらに遮られて観えない動き、
それが街そのものをサンプリングしてきたという様相。









もうひとつ感じたのは、奇声や異形が境界なく含まれてるというところ。
ふつう、絵でも何でも古典的にはしゅっとした流線型の格好良い動きをよしとする。
生け花だってそう。

でも、うんさんのダンスは、以前にも書いた通り、引っかかりや
ぎこちなさを残している。それは、身体に障害のある人の動きを
思い出させる。奇声もまた、知的障害の人を思い起こさせる。

けれども、特別支援学校が沿線にある新京成に乗って
大学に通っていた身としてはそれは日常の「風景」であり、
なんだか懐かしい気がした。


扱いが難しい問題ではあるけれど。。
観ていると、日常の動きであれば、大多数の人がこうするであろうという
動きに対して、外してくる。
それが、とくに知的障害の人を想起させる。
(そう、思って振りつけていないのかもしれないけど)

で、なんかわざわざこう言うと差別的な感じがしてしまうけれど、
障害のある/ない、の境界は恣意的なものだ。
「健常」な人でも、なんか変な動きをする人は大勢いるし
(歩き方が弾んでるとか、肩をいからせてるとか)
頭の中にいたっては、なにがなんだか、
なにが狂っているかなんて誰にも決められない。

P3140440x.jpg


そして、その動きの蒐集の仕方が執拗な感じがあって、
それがダンス全体が濃度が高くて視野に収まりきらない、
悪く言えば収拾がつかない、よく言えば豊穣な感じがした。

で、最初になぜ平地の林といったのは、単に舞台が平らだったせいもあるけど、
熱帯雨林のジャングルとか、
斜面のアクロバティックな森とかのようなところまでは
突き放されてなかったという気がしたからだ。

ああした濃度であれば、観終わったあとに酸素吸入が必要になる。

と、は、い、え。
巷にミニマルなもの、無印良品的な、SNAAの建築みたいな、
軽快でしゅっとして、シンプルで流線型のものが溢れているとして、
それはそれとして安心するものでもあるのだけど、

現実の世界は、おおかた異形のものがみちみちと
詰まってできていて、そのことを思い知らせてくれるダンスだったように思う。


その、匙加減として、熱帯雨林じゃなかったのは、
せめてもの、しゅっとした日常に引きこもっている
現代っこに対する優しさだったかな、なんて。

P3156960x.jpg



アフタートークは、最初、正直蛇足だったなと思った。
森田さんの(稽古を通じて見てこられたとはいえ)
「悲しみとか、なんんとかとかかんとかの思いをうんさんが受け止めてうんぬん」
という入り方をしたから余計。



逆に不思議なんだけど、
うんさんに限らず、いろんな感情を「浴びる」ことによって、
今現在のその人の人格とか考えは形成されるものでしょう。
それは、そのことを改めて認識することは必要であっても、
うんさんに独特のことのように言うのはちょっと的外れかなと思った。

むしろ、「頭がよくなった」という人がいた通り、
あるいは、森田さんが
「こう言う感じ?というイメージを、あっさりうんさんが形にしたとき」と
おっしゃられたように、その処理の過程がブラックボックスで、
かつ素早いのがうんさんの独特さなんだろうと。



そして、いろんな表現をする人にはその資質があって、
また、そうでもない人もいて、
わざわざそのブラックボックスをこじ開けようということなので、
そのことがとても新鮮に思った。そこで、その自分に含まれる機構がなにであるか。


それを、持たない者からすればそれはとても羨ましい、
と、同時に、それを持つために引きうけてきたものがたくさんあるだろうな。
(と、森田さんもいうてはった)




P3157038x.jpg




そのことを解明する冒険はきっと始まったばかりで、
それは、観る者にとって、まさに今僕にとってそうであるように
「考える」ことを強いる(あえて強いるという)という点で、
よくできた企みだと思いました。


いちど、舞台でトークに混ぜてもらいたいと切に願うものです。
以上終わり。どっとはらい











◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次回のみちくさ部は2本だて!

★みちくさ部春のスペシャル「徹底的に、椿」★
3月24日(土) 10:30~ アロマテラピスト、木田順子先生をゲストにお迎えして、
椿の美から椿オイルまで徹底的に掘り下げます!


本家・みちくさ部 
3月24日(土) 13:30~  いよいよ、春。みちくさの名前を覚えたい人も、そうでない人も。
椿はもちろん、ショカッサイ、ハコベ、ヤマネコノメソウなど、春が走り出します。
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プロフィール

清右衛門

Author:清右衛門
みちくさ部長。北鎌倉たからの庭にて、草木についてのほほんと語る教室をしてます。教室&ワークショップ、ツアーや活動の記録、お知らせや、日々の雑感など。

ほかにも、編集的雑用・野草を生かしたランドスケープデザイン・植物調査・公共サインデザイン・グラフィックも少々やってます。

生態学畑。園生の森、おゆみ野の森でボランティア。
いけばな尚真。たまに俳句。

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