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The Cove ②

つづき。さて、リックらが、イルカ漁はよくないと思うのは自由だし、
同時にイルカ漁はいいことだ、と、太地町の漁師さんたちが思うのも自由である。
どうぞご自由に。

しかし、「よくないと思う」「よくないと言う」ことに関しては自由だけれども、
ある行為についてこれを制限するには法的な根拠が必要となる。
しかし、法にもし良心がないとしたら道義的な根拠、ぐらいは必要となる。

従って、リックらが「イルカ漁をやめさせる」ことに根拠があるかどうか、
映画のみを材料にして検証してみたいと思う。

①イルカは知能が高く、感情もあるから殺しちゃいけません
・日本の法律、IWCの枠組みではイルカ漁は禁じられていない。
・知能、感情を理由にしてある動物を殺すべきでないと主張するとすると、
 先進国の人々が常食している、牛、豚、鶏に関しては
 殺すべきでないと主張しないことと矛盾する。
 牛などにも相応の知能・感情があり、
 そもそも、人間と他の動物で知能・感情の様相は異なる
 これは自明のことである。リックがいかにイルカと感情的に交感しようとも、
 ヒトとイルカを同一視することは、感情論であるから個人の思想としては
 自由だけれども、それを理由に漁を制限するのは無理がある。
 なぜならば、ある動物に対して、ある個人が抱く感情は固有のものだからである。

②イルカの需要が少ない。売れ残りが鯨として偽装されている可能性がある。
・そもそもこれは、漁の是非とは無関係である。
 需要が少ないゆえに、(知能の高い)イルカを漁る必要がないという理屈だが、
 結論が先に立っている。①の通り。太地町の価値観では漁をする理由がある。
 需要があるかないかは、市場に出す時に、売り手の判断することである。
・鯨への偽装については、報道で事実誤認であることが強く主張されている。
 これについては、映画からは判断できないし、イルカ漁の是非とは関係がない。
 単に印象を悪くしようという意図かもしれないが、判断できない。

③イルカ肉には水銀が蓄積している可能性がある
・これは、AERAでも指摘されている問題である。
 記事によると、太地町内にも水銀汚染を問題視する声があるようだ。
 映画には問題視する側の町議とされる2人も登場する。
・水銀含有量の検査を行い、日本政府なり、太地町が安全性を確かめればよいことだが、
 だからといって、イルカ漁をしてはいけないと、判断する根拠にはならない。
 水銀汚染が危険な水準なら、場合によっては漁を制限すべきだが、
 その問題と、イルカ漁の是非は混同すべきでない。

④漁獲高の減少をイルカのせいにして捕獲するのは間違い、イルカが絶滅しそう
・これは、映画の情報のみからは判断できない。
・ただし、海洋の生態系について、すでに人為的に攪乱されている以上、
 適切な人為的な介入はやむを得ない。それはイルカかどうか、には関係がない。
 また、陸上動物についてはアメリカで頭数を管理する施策がとられている。
 この映画を製作したみなさんの国である、アメリカ合衆国である。
※ちなみに、この手法は諸刃の剣であるが、感情論的に保護ばかりしてると、
 天然記念物のカモシカが畑を荒らして困るという話になる。加減の問題である。
・イルカが絶滅しそうかどうか、は科学的にちゃんと調査をして、
 その結果捕獲を制限しなさいというなら妥当。かわいそうではダメ。

…というか、感情論だ!と言い切った時点で論理的にはケリがついているから、
だんだんぞんざいになってきた…悪しからず。

⑤日本はIWCで小国を買収している
・絶句
・そういったどこの大国でもやっている利益供与を得意げに強調されても。
・ただし、相手国の役にも立たない施設を税金使って作ることは確かに問題。
 けれども、くどいようだが、そのこととイルカ漁の是非は関係ないんだってば。

ああ、疲れた。

というわけで、『ザ・コーヴ』はイルカ漁を取り巻く、種々の問題を
してきしているものの、「イルカ漁をやめるべき」と主張する論拠を
感情論的理由に置いているため論理的には破綻していると言わざるを得ない。

が、しかし… つづく
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プロフィール

清右衛門

Author:清右衛門
みちくさ部長。北鎌倉たからの庭にて、草木についてのほほんと語る教室をしてます。教室&ワークショップ、ツアーや活動の記録、お知らせや、日々の雑感など。

ほかにも、編集的雑用・野草を生かしたランドスケープデザイン・植物調査・公共サインデザイン・グラフィックも少々やってます。

生態学畑。園生の森、おゆみ野の森でボランティア。
いけばな尚真。たまに俳句。

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